大阪・salon夕顔楼でのワークショップ終了しました。受講者の皆様どうもお疲れ様でした。
今回でキットを使用したワークショップはイタリアを入れると通算5回目、今までに約80体のお人形が完成しました。
キットを使用した1日制作はもともと教室の短期講座で教室開講時から随時募集中で、初期の頃は最後の色塗りは油絵具で、髪貼りまで教えていました。
その内作業スピードが受講者によって個人差がある事を感じたため、現在はその日に持ち帰れるアクリル彩色に統一しています。
本来創作人形は、個人の表現によって制作時間は様々です。ワークショップの制作方法は、あくまでその内の1つの方法ですが、人形作りの楽しさや人形の魅力を感じていただければと思います。
教室以外の場所でワークショップを始めてから反響をいただき、現在でも海外を含めて複数の場所から開催希望の依頼があります。
大変有り難いことですが、私にとってはワークショップは人形作家として以下のような意義で開催させていただいています。
本来、人形制作は作家と人形が向かい合う時間が長く、また命を込める行為だと思っています。
私が人形作家を本業にしたのは27歳の時です。
幼少時代は親の借金で数度の夜逃げや2度の破産宣告を経験しました。
高校時代になってから、歴史を習うようになり、アウシュビッツやユダヤ人その他の迫害に興味を持ちました。それは夜逃げや破産宣告の度に財産没収や家族離散を経験し、自分の環境がユダヤ人の迫害と重なって感じたからです。
なので高校の美術部でも、屋根裏部屋のアンネ・フランクを木炭画で描いたりしていました。
社会人になり就職・リストラの後、作家が本業になりましたが、高校時代から私が制作する動機の大半は「アウシュビッツなどで虐殺された無数の霊魂の供養」です。
アウシュビッツに限らず歴史上には痛ましい歴史で惨殺された子供たちがいます。それらの魂を1つでも多く思い起こし、形にすることが私にとっての供養だと思っています。
なのでワークショップの人形であっても、私にとっては1体1体が一人の魂です。ワークショップで教えている時間も、それらの魂の存在を忘れたことはありません。
こういった主旨のため、ワークショップの開催には自分なりの決意や心構えで臨んでいます。
人形を作る事で命や存在の大切さ、愛しさを感じていただければと思います。